ビジョンマガジン【特別企画編】vol.1
今だから読みたい本/今との向き合い方
2020/6/3
お久しぶりのビジョンマガジン発行となりました。皆様いかがお過ごしでしょうか?
HRインスティテュートコンサルタントの石田です。
世の中は,新型コロナウィルス(COVID-19)の影響を受け、
新しい生活や仕事のあり方を誰もが模索中の状態だと思います。
我々も人材開発領域における新しい育成のありかたの提唱、
オンライン事業へのシフトなどを求められており、
日々現場でお客様の新たな課題と向き合いながら事業を進めております。
そんな中でも、学びを止めないビジネスパーソンに向けて
少しでも明るくなる、前向きになる話題を提供できればと
ビジョンマガジンを発行させて頂くことにしました。
これまでとは違い、在宅勤務の方も多いと思いますし、
コロナ禍の最前線で業務を引き受けている方もいらっしゃると思います。
緊急事態の今だからこそ考えていきたいテーマでお送りさせて頂きます。
今回のテーマは、
「今だから読みたい本」
「今との向き合い方」
シニアコンサルタントの櫻橋がお届けします!どうぞお読みください。
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◆今だから読みたい本~100選 シニアコンサルタント 櫻橋 淳
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『徹底のリーダーシップ』ラム・チャラン(プレジデント社)
新型コロナウイルスの感染拡大が世界に甚大な影響を与えています。
世界経済、企業経営にも大きな影響を与えることは間違いありません。
思い出されるのは2008年9月に起きた、米投資銀行大手であった
リーマン・ブラザーズの経営破綻に端を発するリーマン・ショックです。
そこから世界的な経済の冷え込み、消費の落ち込みが広がり、
我が国の経済にも大きなインパクトを与えました。
『徹底のリーダーシップ』はハーバード・ビジネス・スクールの教授であった
ラム・チャラン氏が、大きな危機に直面したとき
リーダーは何をやらなければならないかを
リーマン・ショック直後に書いた名著です。
残念ながら現在は絶版となってしまっていますので、
大切なポイントをお伝えしていきたいと思います。
チャラン氏は「私が会って話をしたビジネスリーダーたちは、
不安のどん底にいるか、恐怖におののいているかのどちらかであった。」と回想されます。
「しかし一方で、どんなに厳しい事態になろうとも、
それを乗り越えていくために事業の見直しにかかっているリーダーもいる。」とも。
そのうえで、
①何をさしおいてもキャッシュを確保すること
②成長至上主義の考え方を修正すること
③「徹底した経営」を実行すること
を言われます。
「徹底した経営」の勘所は、この不安定な環境において、
自社の事業に影響を及ぼすような変化を細部まで把握することとされます。
経営者が手にする情報は、現場から迅速に集められた、
詳細で、最新で、無差別なものでなくてはならないと。
そして、計画、目標を短期で管理することの大切さを説きます。
大局観を持ちながら、情報も自分も“見える化”し、
誠実でありながら楽観主義者であれと言われます。
そしてCEO、CFO、マーケティング責任者、現場のリーダー、
研究開発部門のリーダー、スタッフ部門のリーダーが
それぞれ何をすべきかが述べられていきます。
あとがきに、チャラン氏の思いが込められていると感じました。
そこには、「私は本書を短く、要点のみにとどめた。いまは時間こそ財産だからである。
(中略)読んだあとは、行動に移してもらいたい。
腕まくりをして、道具とアイデアをいますぐに使うのである。
現場で、自ら率先して”が基本姿勢であることを忘れないで欲しい。」
いま世界でコロナウイルス禍に直面しているリーダーにぜひ読んでいただきたい一冊です。
願わくは復刊していただきますことを。(古本屋さんでたまに見かけます)
外部リンク:『徹底のリーダーシップ』ラム・チャラン(プレジデント社)
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◆今との向き合い方 シニアコンサルタント 櫻橋 淳
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新型コロナウイルスの感染拡大が続くなかで、
政府によって緊急事態宣言が出されたのは4月7日でした。
不要不急の外出を避ける、学校を休校にする、
多数の者が利用する施設の使用を停止する、三密を避けるなど、
我々国民も不自由を余儀なくされました。
この状態が一ヵ月も続いてきますと、
「あぁ、自由に好きなところに行けたころは良かったなぁ」
「あの大好きだったレストランに行って美味しい料理を食べたないなぁ」と
なかなかにストレスが溜まってくるものです。
私は真宗大谷派(東本願寺)の僧侶であります。
そこで、こんなときに仏教が何を教えてくれるかについて、少しお話をしたいと思います。
さて、仏教は、そもそも私たちをどのような存在であるととらえておりますでしょうか。
私の話で恐縮なのですが、ほんの2ケ月前までは、
「あぁ忙しい。こんなに仕事ばかりしていて大変だなぁ」という状態だったのです。
それがいまでは、 「あぁ大変だ。仕事がキャンセルになっていく。
もっと仕事をつくっていかないと」 という状態です。
どこまでも“自分の都合”なんですね。お客様に認めていただきたい、
会社の同僚に尊敬されたい、家族、友人との良好な関係を維持したい、
いまの社会的地位を失いたくない、給料を下げたくない…
実はどれもこれも“執着”で、仏教では苦の原因となるものです。
さらに我々の場合、すべて自分が中心です。
どこまでいっても「自分が、自分が」、自分への執着、すなわち“我執”があります。
執着とは“とらわれの心”です。つまり我々は、もともと自由ではないのですね。
では、いまの状況をどう生きたら良いのでしょうか。
まずは「損得勘定でいきることをやめる」ことだと思います。
たとえば、あなたともうじき結婚する人が、
実は損得勘定であなたを選んでいたとわかったとしたら、
あなたはどんな気持ちになるでしょう。
いつの世でも人間は結局、真実の心をお互いに与えあわなければ、
本当に信頼しあえるつきあいはできないと思います。
次に、「いま、このときの事情においてと考える」ことだと思います。
仏教は“無常”を教えます。この世に変わらないものなど、なにひとつないのです。
刻々と変わる事実にあわせていきることが、
しなやかでありながらも強い自分をつくるのではないでしょうか。
最後に、「いま、ここにいる自分をいきる」ということです。
過去は変えられません。そして未来は不確実な要素に満ちています。
過去の私はこうだった、未来の私はこうしたいというところばかりにいきるのではなく、
丁寧にいまをいきていくということです。
禅宗の言葉で「小欲知足」という言葉があります。
欲を少なくして足るを知る、ということです。
「少なくなってしまったとはいえ、いまこうして仕事をさせていただいていることは
ありがたいことではないか、同僚がいて、家族がいて、
そのなかでいきていけることはありがたいことではないか」、そう考えるということです。
こんなときであるからこそ、
しっかりと現実に立って、人生を丁寧にいきていきたいものです。
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皆様いかがでしたでしょうか?
ご感想やご質問、コンサルタントへのコメントがありましたらお気軽に
jinzai@hri-usa.comまでお寄せください。
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