ビジョンハウス研修レポート「ネパール勉強会」~ビジョンツアーに向けて~
2018/2/26
恒例としているHRIメンバー向けの社内勉強会(ビジョンハウス研修)の内容をご紹介します。
2018年2回目は弊社の代表、稲増の知り合いである三和工材株式会社の度会さまと、一緒に働いていらっしゃる技能スタッフのニマさんのお二人に勉強会を依頼しました。
テーマは「ネパール勉強会」 ~ビジョンツアー渡航に向けて~です。
通常、ビジョンハウス研修で行うテーマは、「リーダーシップ」「コミュニケーション」「コンプライアンス」など、日々の仕事に直結するもので実施をするケースが多いのですが、今回の勉強会の趣旨は「ネパールについて知ろう!」というものです。なぜネパールなのか?冒頭、少しそのあたりからお伝えしていきたいと思います。
1.テーマ設定の背景
今回の勉強会は、2018年3月末に私たちHRIメンバーの一部が渡航する予定の「ネパール」について知ること、理解することを目的に開催しました。
ここで、私たちのビジョンツアーという独特な社内の取り組みについて少し触れておきたいと思います。
私たちHRIでは、毎年1回、ビジョンツアーというツアーを開催しています。
大きくは、
- 世の中で起きている、または過去に起きたことを現地で体感する
- 自らの持つリソースを、社会貢献活動や支援活動などに活かすための機会を探る
(ベトナムやカンボジアに学校を寄付する活動などは、このビジョンツアーから始まりました) - ツアーでの気づきや学びを自分や会社の糧とし、その後のビジョン構築に活かす
といったことを目的に開催しているツアーです。
渡航先は国内、海外の両方です。期間はおよそ3~6日間程度で、HRIメンバーは全員が参加することが可能なツアーです。
実は2018年3月のツアーは、半分のメンバーの渡航先が「モンゴル」、そして、私を含む残りの半分のメンバーが「ネパール」に行くことになっています。
そうした背景を踏まえ、今回はネパール出身のニマさんに、そして、サポーターとして度会さまに弊社の原宿オフィス、ビジョンハウスにお越しいただくことになりました。
2.ニマさんから教えていただいたこと
「恥ずかしがりやで人前で話すのが苦手です」。そんな自己紹介からスタートしたニマさんのお話ですが、笑顔から伝わってくる明るく誠実なお人柄に引き込まれ、とても興味深くお話を聞かせていただくことができました。
パワーポイントのスライドを使って研修が始まりました。世界地図を使ったネパールの場所の解説にはじまり、
- ネパールの歴史
- ネパールの山々
- 登山者が立ち寄る集落
(ものすごい傾斜の断崖絶壁に存在する集落の写真はみんな驚いていました) - 滑走路が極端に短い、世界一危険と呼ばれている空港
- 文化(宗教、言語、教育、結婚、服装、食事など)
- 私たちの滞在の中心となるカトマンズの紹介
- やってはいけないこと(軍隊への接触、ヒンドゥー教寺院への出入り、握手など)
など、ガイドブックだけでは知りえることのなかった情報を教えていただくことができました。
個人的に初めて知ったお話が2つありました。
一つは、「シェルパー」というのが、登山者を支援する「役割」の名前ではなく、ネパール人の民族の「呼称」であり、ニマさんの「苗字」であったことでした。ニマ・シェルパーさん、これがニマさんのお名前(フルネーム)です。
もう一つは、「ヴィクラマ暦」と呼ばれる南アジア独自の暦の存在でした。それによると、いま28歳であるニマさんは、「2047年生まれ(!?)」になるのだそうです。通常の暦に慣れた私たちはとても混乱をするのですが、ネパールでは全国でこのヴィクラマ暦を使うとのことでした。
こうして、時折、私たちからの質問や、度会さまからのサポートも交え、和やかな雰囲気の中でネパール勉強会が進んでいきました。冒頭、シャイな一面を見せていらしたニマさんも、徐々にその雰囲気に馴染んでいらしたのか、後半は口が滑らかになり、双方向性のある楽しい勉強会となりました。
3.勉強会からの気づき
ネパールに関する理解を深めることができたことは勿論ですが、今回はそれらに加え、他にも個人的には以下の3つの気づきを得ることができました。
(1)正しく知り、理解することの大切さ
(2)ビジョンを持つことの大切さ
(3)ビジョンや人柄で繋がることの素晴らしさ
まず、(1)正しく知り、理解することの大切さについてです。今回、ネパール出身のニマさんのお話は本当に有意義なものでした。ガイドブックからだけでは得ることができない情報も教えていただきましたし、やはり実体験をもとに語られるニマさんの話は、とても生々しく興味深いものでした。現地・現実・現物。「現場」を正しく知り、理解することの大切さを改めて確認できました。
次に(2)ビジョンを持つことの大切さです。ニマさんは2011年4月、震災直後の日本に来て、千葉の語学学校で勉強をされていたそうです。不安なことも多かったでしょうが、その後、度会さまと出会い、いまでは奥様、お子様をネパールに残して単身でお仕事を頑張っていらっしゃいます。「将来は子供のためにも永住権を取りたい」「自分がネパールから日本や海外に出て挑戦する人たちのロールモデルになりたい」。そう語るニマさんの目はとても輝いて見えました。
内から湧き上がる主体的なビジョンは人を強く、幸せにする力を持っていると感じました。
最後に(3)ビジョンや人柄で繋がることの素晴らしさについてです。先の(2)でお伝えしたニマさんのビジョンと、「誠実に、真摯に頑張っている留学生の力になりたい、助けたい!」という度会さまのビジョンが出会って、「現在」があるのだと思います。それが偶然なのか、必然なのかはわかりませんが、お互いの思いやビジョンが重なり合って、お二人の運命的な出会い、そして、今回のビジョンハウス研修での講演に至っていることは間違いありません。
ビジョンは、「人と人とを繋げる力」を持っているのだということも改めて確認できました。
お互いがお互いを認め、心から信頼し合っているからこそ生まれる柔らかい空気。ニマさん、度会さまのお二人のおかげで、この柔らかい空気がビジョンハウス中に流れ、とても幸せな時間を過ごすことができました。
4.結び
2018年2回目のビジョンハウス研修はこのように、とても温かく、互いの理解や共感を重ねるとてもいい場になりました。
講師を務めてくださったニマさん、側で温かく見守ってくださった度会さまのお二人の温かいお人柄が感じられ、それがますます、私たちのネパールに関する知的好奇心を刺激してくれました。ビジョンツアーが本当に楽しみです。
ニマさん、度会さま、この度は貴重な機会をどうもありがとうございました。
今回の気づきや学びを、2018年3月末の「ビジョンツアー」で最大限に活かしていきたいと思います!
記:シニアコンサルタント 国友 秀基
<ビジョンハウス研修開催レポートはこちらから>
2018年1月ビジョンハウス研修:「働き方改革~花びら図を活用したワークショップ」
2018年3月ビジョンハウス研修:「情報セキュリティに関するリスクリテラシー研修」
2018年4月ビジョンハウス研修:「AI×ビジネス」
2018年8月ビジョンハウス研修:「自分を知る~BPASSサーベイワークショップ」
2018年11月ビジョンハウス研修:「水」から考えるビジネスチャンスと企業リスク
2018年12月ビジョンハウス研修: 「描いて伝える可視化スキル グラフィックレコーディング研修」
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