ベトナムダナン進出 日本人インタービュー第1回〜VINA SAVER 五戸様〜
2016/4/26
圧倒的に情報が少ないといわれるダナン。進出しようにも全然イメージがわかないという方もいるかもしれません。そんな方々の参考になればということで、本ブログではダナン在住者の生の声をお届けいたします!経済指標や市場情報では見えない、会社の苦労話など生の体験談をお伺いしていきます。
(※あくまでもそれぞれの方の視点でお話いただいておりますので、ご理解の上お読みいただければ幸いです。)
今回、インタビューに答えてくださったのは、、、、 VINA SAVER Co.,Ltd General Director 五戸 進 様 です。 (インタビュー日; 2015年11月16日(月))
会社概要
松岡)まずは、御社の概要をお聞かせください。
・会社名;VINA SAVER Co., Ltd. (https://www.saver.jp/company.html ・設立年;2012年 ・業務内容;企業のWEB広告、動画、携帯電話用ゲームなどのソフトウェア開発など。 クライアントは、95%が日本企業、5%がベトナム企業という感じ。 ・従業員数;現在11名在籍。全員ベトナム人;エンジニア9名、経理担当者、通訳者。 (創業当時から続けている方が3名いらっしゃるそうです。)
写真;VINA SAVER社のみなさん。真ん中;五戸社長
ダナン進出の背景
松岡)進出先としてダナンを選ばれた理由や、 進出時のエピソードなどを教えてください。私自身は、このVINA SAVER社の“親会社の親会社”を退職してこちらに赴任してきており、会社から「やってみない?」と言われて来た身なんです。私自身はITの知識がないのですが、サインとハンコおすだけでいいと言われまして(笑)。
そもそもは親会社が、ダナンにすでに進出した知人がいるというんで、その人を頼りにダナンを選んだようです。ですから、ダナンありきで始まった進出話でした。私自身が判断する必要があったのは、ダナンという土地が自分が赴任して生活できる環境かどうかという点。視察に来てみたら、なんかのんびりしていて良い街だなーと思いました。川沿いのおしゃれなカフェで朝からコーヒー飲んでる人達の風景はフランスっぽいし、川・海・山があって自然環境的にも恵まれているし、、、つまりは、いいところばっかり目についちゃったんですね(笑)。
視察帰りの飛行機の中で夕日が見られたのですがそれが、何とも言えないオレンジ色でものすごくキレイで惹かれたものです。余談ですが、Heritageという機内誌に、日本の3.11についての記事があったんです。ベトナムの公務員全員が一日分の給与を日本に寄付してくれたという話が載っていて妙にグッときてしまいました。日本人の一人として恩返ししたいという想いも湧いてきて、今回の話はめぐり合わせだと感じました。 そんなこんなで、、、赴任を受けることにしたわけですね。
松岡)いよいよ会社スタートですね!どんな様子だったのでしょうか?
最初のオフィスは、実は工業団地内にあったんです。親会社が用意してくれた会社の投資証明書と社印、そしてその工業団地内の小さなオフィス、それだけを手にスタートしました。 手始めに人材募集したいと思ってみても右も左もわからなかったものだから、HRIの人に手伝ってもらいました(*HRIのご利用ありがとうございます!)。それで何度もHRIに行き来してるうちに、HRIが入っているオフィスビル=このSoftWare Parkが気に入って、すぐに引っ越してきたんです。
松岡)実際にダナン生活が始まってみて、印象はいかがでしょうか?
生活環境として住みやすいこと、自然環境が良いことはやはり魅力だと思います。あとは人間もとてもいいですね。ベトナムの他の地域をよく知らないので比較ができないのですが、ダナンの人は親切な人が多いと思います。
これまでの苦労話
松岡)会社設立時、始業後いろいろご苦労があったと思いますが、いくつかご紹介いただけますか?
そうですね。大きく3つ、(1)人材選考 (2)契約社会 (3)情報管理 です。
(1)人材選考 初めの頃、人材を選考するときに「ベトナム人である」ということに対し日本人とは感覚が違うだろうと特別視しすぎました。ベトナム人は日本人とは違うから、という意識が強くあって必要以上にバイアスをかけてしまっていたと思います。例えば、あまり誠実に見えないけど“ベトナム人だから”差し引いて考える、といったようなことです。でも実際一緒に働いてみたら、同じ人間。その人の人間性や仕事のパフォーマンスを見るのに、ベトナム人か日本人かということは関係ありませんでした。見ていればわかる。ですから、もう今では「ベトナム人だから」という視点では見ていません。あくまでも人間として、仕事人としてどうかということで、採用や評価を行うようになりました。日本人と同じように見ていったら、人材採用での大きな失敗はなくなりました。
(2)契約社会 2つ目は、契約社会であるということ。日本に比べると「契約」の存在が大きいと思います。社内の例でいえば、雇用契約書に書かれていてない業務はやらない、というようなことがありました。前述で“ベトナム人だからといって特別視しない”といいましたが、この点については、人間の違いではなく、社会や習慣の違いなので、日本人はきちんと踏まえておく必要があると感じます。うまくマネジメントを行う上で重要です。
(3)情報管理 ベトナム人は、もうとにかく話すのが大好き!情報が共有されるのが本当に速いです。社員各自の給与額や待遇など、クローズにしておきたい情報であっても漏えいすることは簡単に起こるんですね。ですからそういった情報管理の為にも、経理担当者や社長の右腕である通訳者といった人材については、殊更に信頼できる人材を確保することが欠かせないと考えています。
これから進出を考える企業への進言
松岡)これからダナンに進出を検討している方々に、何かアドバイスはありますか?
具体的な話でいうと、複数のところから情報を入れて準備せよ、ということでしょうか。やはり、現地にいる人の話を聞かないとわからないものです。業種業界によっても情報は異なったりしますし、人によっても解釈が異なるもの。ですから、ダナン進出を検討されている企業さんは、いくつかの日系企業にアポイントをとって、生の声を聴いて、判断材料になさるべきと思います。一歩踏み込んでみなければ、本当の情報は集まってきませんからね。 もう一点は、心持ちの話になりますが、「ベトナムのために」という視点を必ず持っていただきたいということです。ベトナムと日本って、すごいパートナー国だと思うんです。国民は、反日感情(日本からすれば反越感情)はほとんどない。むしろ「日本」というだけでとても尊敬してくれます。政治的にも友好的ですし。文化的にも近いものは多いし、理解しあえる相手だと思います。アジアの中でも、ここまで友好的にあれる関係というのは他にないと思うんですよね。だからこそ、大切にしなければいけないし、するべきだと思います。日本は、資本主義社会における経済的視点ではベトナムよりも発展しているわけですから「ベトナムのために」という視点をもって来ていただきたいものです。 その時にもう一つ覚えておいてほしいと思うことは、特に若い人達に伝えたいのですが、日本人として礼儀正しくあれということです。外国が日本を評価してくれるとき、それは言ってしまえば、戦前の日本・日本人を含めた先人の方々を見ているんだと、私は思っています。もちろん、現代の日本を評価している部分もあるかもしれませんが、ベースにあるのはやっぱり昔の日本。礼儀正しく、誠実で、堅実で、、、そういった日本人の姿です。懐古主義ではないですが、世界が評価する日本の良さを正しくとらえて、此れまで先人達が脈々と培って来てくれた信頼と言う財産を失うことの無いように引き継いで行きたいものです。
松岡)ありがとうございました! =====
五戸さんは、日本では、高級車のディーラーやキャンプ場の支配人もされていたという異色のご経歴の持ち主。VINA SAVER社がダナンに進出した2012年当時、日系企業は現在の半数程度で、IT企業もまだ数えるほどでしたので、それはご苦労も多かったことと思います。 今回のインタビューにも一つ一つ丁寧に答えてくださり、日本人の良さ×「ベトナムのために」を大切にされている五戸さんのお人柄を、ひしひしと感じました。
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<オマケ>駐在者のためのおすすめ店〜五戸さんのおススメ!
レストラン ; Madame Lan http://www.madamelan.com/
「きのこのおかゆ」がおすすめです♪ By 五戸さん 私も利用しますが、外国人観光客も多いキレイなレストランです。 おいしいベトナム料理が一通り楽しめますよ!
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