ビジョンハウス研修レポート
「社会問題を解決する『社会起業家』を生み出すボーダレスグループ」
2019/9/3
恒例としているHRIメンバー向けの社内勉強会(ビジョンハウス研修)の内容をご紹介します。2019年7月のテーマは「社会問題をビジネスで解決する」です。社会問題を解決する『社会起業家』を生み出すボーダレスグループより、ボーダレスキャリアの髙橋様、八鍬様、UNROOFの高橋様、ボーダレス・ジャパンの市川様にお越しいただきました。
開催概要
講演タイトル | 「社会問題をビジネスで解決する」 |
日時 | 2019年7月29日(月) |
講師 |
ボーダレスキャリア株式会社 髙橋 大和様 |
UNROOF株式会社 髙橋 亮彦様 |
|
株式会社ボーダレス・ジャパン Relight事業部 市川 加奈様 |
1.テーマの設定の背景
若者の早期離職、障がい者雇用、見えないホームレスの増加など、私たちを取り巻く環境には、さまざまな社会問題が存在しています。コンサルティング事業以外にソーシャル事業も展開しているHRIとして、今後のソーシャル事業において目指すべき姿や、ソーシャルビジネスの育て方、ビジネスと社会貢献の両立などのテーマを改めて考える機会が必要と考え、今回の講演をお願いすることになりました。
2.研修内容
ボーダレスグループが社会起業家を生み出す仕組みについてご説明をいただいた後、実際に展開しているソーシャルビジネスや、創業の想いや実際の事業活動について、ボーダレスキャリアの髙橋様、UNROOFの高橋様、ボーダレス・ジャパンの市川様にお話しいただきました。
【ボーダレスグループとは】
- 社会問題を解決するビジネスマンである『社会起業家』を生み出す企業グループ
- 日本・アジアを中心に世界8か国で、途上国での雇用、差別偏見の解消、障がい者雇用、貧困家庭の母親サポート等、26事業を展開
- 社会起業家を目指す人々に向けた「ボーダレスアカデミー」という社会企業家養成スクールも展開しており、その中から実際にソーシャルビジネスを立ち上げた人や、ボーダレスグループに入社してくれる人が出てきている
- 『恩送り』の考え方が基盤となっている。既存事業で出た利益を新規事業への投資に使い、その新規事業が軌道に乗って利益が出るようになったら、また次の事業に返していく
- 新事業の立ち上げ期には、グループ本体のバックアップチーム(Webデザイナー、マーケター 他)が手厚くサポート。お客さまにとってのベストや、環境負荷の観点を大事にしつつ、チーム全体で事業としての「勝ち筋」を仮説検証の繰り返しで見つけていく
【ボーダレスキャリアの事業】
- 若者をターゲットに、仕事のミスマッチをなくすことを目的とした人材紹介業
- 不登校問題の深刻化等、生きづらさを抱える若者が増加傾向にある中、組織になじめずに離職を繰り返すループから抜け出せないという社会問題を解決したい、というのが創業の想い
- 髙橋さんご自身の経験から、『良い大人』との出会いの有無がその社会問題の背景にあると考えられ、良い大人がいる『神企業』と若者のマッチングを行う事業を立ち上げ、そのネットワークを全国に広め、若者たちが仕事を通じて社会の役に立っていることを実感できる居場所づくりを目指している
- 具体的には、ボーダレスキャリアのサービスに登録している企業に対して、若者を紹介するだけでなく、その後も定期的に面談を実施。実際に働いてみて紹介先から出てきた課題について、一緒になって振り返り、改善行動に繋げている
【UNROOFの事業】
- 「障がい者も戦力として働ける職場づくり」を目指し、革職人になるための技術指導および革製品の製造を実施
- 障がい者の法定雇用が守れていない、給与水準も健常者対比で少ない、助成金を前提とした雇用体系しか存在しない、という社会問題の解決がテーマ
- 「障がい者が戦力として見られておらず、企業・社会・本人が『これ以上はできない」と決めつけているのでは?」という仮説から、仕事の適正と障がい特性のマッチングを軸に、障がい者が戦力として働くための職場づくりを進めている
- 障がい者が戦力として働くためのキーファクターは、以下の2点。
①解決策を自分で求める姿勢を持たせることで、本人の障がい者マインドを取り払うこと
②障がい特性上難しい業務を除き、まず一度挑戦してもらい、本当に苦手なものを特定。その上で、能力を発揮するための合理的配慮を行うこと
【ボーダレス・ジャパン Relight事業部】
- 働く意思がありつつも、家や安定的な仕事・収入などが無いホームレスに対して、生活基盤を整えて就職をサポートする事業
- 市川さんご自身の大学時代の活動の経験から、ホームレス、特に路上生活者以外の『見えないホームレス』に対して、行政の手が行き届いていないという課題感をお持ちであり、その解消に向けて事業を立ち上げ
- 一度ホームレスになると、失ったお金・住居・労働・頼れる人の課題を一気に解決しなければ、なかなか現状から抜け出せない。そこで、就職サポートだけでなく、支援団体や行政サービスの紹介等を通じて生活基盤を整えるところも一気通貫でサポートする
- もともとは30~40代で周囲になかなか相談ができない層への支援をターゲットとしていたが、10~30代からの問い合わせも多い。他の事業のノウハウを使って、様々な方法で支援していく
3.学びの感想
今回の研修での学びを、以下二点共有させていただきます。
ソーシャルビジネスで「隠れた社会問題」と向き合う
ソーシャルビジネスと聞くと、行政がリソース上カバーできていない部分を民間がサポートするものというイメージがあり、ある程度重複した領域で共存しているように感じておりました。今回のボーダレスグループ様のお話を聞くと、行政の支援活動の対象となっていない「隠れた社会問題」の領域を民間でカバーするような事業を多く立ち上げられていました。普段からボーダレスグループのメンバーひとりひとりが、社会問題に対するアンテナを高く張り、支援を必要とする人々に向き合っていることを強く感じました。
新規事業立ち上げはソーシャルビジネスも通常のビジネスも同じ
ボーダレスグループは、社会起業家を多く生み出すことで社会問題の解決を目指されています。すなわち、ボーダレスグループは起業家育成の会社でもある、ということです。そのため、『恩送り』のカルチャーや、社員総出のビジネスプラン検証など、意志を持った人々が起業しやすい雰囲気や仕組みを作ることに力を注がれていらっしゃいました。私たちHRIにおいても、ソーシャルビジネスに限らず、新たな事業の創出が必要とされる中、それをサポートする仕組みづくりが必要であると感じました。
4.結び
今回の研修により、私たちを取り巻く社会問題の現状や、それを解決するために尽力されている社会起業家の皆さんの取り組みを知ることができました。HRIのメンバーからも、日ごろ感じている社会問題についての疑問や、新たなソーシャルビジネスを生み出すボーダレスグループ様の取り組みに関する質問が積極的にありました。この研修をきっかけに、HRIのソーシャル活動やソーシャルビジネスがさらに進化していくことと思います。
ボーダレスキャリアの髙橋様、八鍬様、UNROOFの高橋様、ボーダレス・ジャパンの市川様、この度は貴重な機会をありがとうございました。
◎ボーダレスグループ様が展開するソーシャルビジネスにつきましては、以下のURLをご参考ください。
https://www.borderless-japan.com/
記:コンサルタント 高尾 祐輝
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