ビジョンハウス研修レポート 「 起業までのストーリーと習慣化の極意 」
2024/10/18
今回のテーマとゲスト
「 起業までのストーリーと習慣化の極意 」
講師:株式会社WizWe 代表取締役 森谷 幸平 様
弊社メンバーの学びの場である「 社内勉強会( ビジョンハウス研修 )」の内容を紹介します。 毎回素晴らしいゲスト講師をお招きし、弊社メンバーだけでなく、このページをご覧になった皆様にとっても、学びや気づきを得る機会となることを願い、研修のポイントを公開しております。今回の勉強会では、株式会社WizWe 代表取締役の森谷さん講師にお迎えし、起業に至った背景と「 習慣化 」をテーマにした講義を行っていただきました。
1. 講義テーマの背景
森谷さんは、「 e-learningの継続 」 という問題を起点に、これまでに多くの企業や個人が直面してきた「 習慣化 」という難題に取り組んでこられています。起業された方の生の声はオープンにされることは少なく、ビジネスを立ち上げるまでの森谷さんの奮闘と志のお話は、多くのビジネスパーソンにとって学びになります。また、ビジネスの現場では、多くの人々が新しい知識やスキルを得ようと努力していますが、継続して成果を上げるためには、その学びをいかに日常の行動に落とし込むかが重要です。こういった視点で、習慣化を専門とされており、代表取締役も務めていらっしゃる森谷さんにご自身の話と習慣化についてお話しいただきました。
2. 講義内容
~ 起業に至った背景
森谷さんは、教育業界において語学を中心としたe-learningを担当していました。しかし、e-learningは継続が難しい、という課題が大きくのしかかっていました。これまでのe-learningでは、様々な理由により、学習者が途中で挫折してしまうことが多く、どうにか学びを継続させる仕組みはないか、と試行錯誤の日々でした。その後、スガタ・ミトラ氏が、自己学習には「伴走者」が重要であることを発見したことを受け、チームの中でワイワイしながら学習する仕組みが出来れば、継続率が上がるのではないか、と思い早速実践してみたそうです。ところが、これをやるには、メソッドが個人に紐づくので、あまり科学的に映らず、お客様に納得してもらいにくいことや、支援後に内製化されてしまう等で難しさがありました。
そのような折、事業売却の話が出た中で、森谷さん自ら、事業を引き継ぐことを決意し、資金調達を行って事業を買い取る決意をしました。事業構想も定まらない中で、資金を調達するのは本当に難しかったのですが、この事業をどうしても続けたかったので、色々なところにお願いをしてがむしゃらにやってきました。こうして、2018年に新しくWizWeを設立。最初は、会議室の一室、1枚の紙に書かれた構想だけでスタートしました。そして、試行錯誤の上、ついに2020年には「 Smart Habit 」という習慣化のためのソフトウェアの開発に成功しました。森谷さんが大事にされていることは、サービスのあり方がどこまでも広がるように、自分から知見やノウハウを切り離すこと。自分たちの哲学や大切にしたいあり方を自然に浸透させたいという思いでした。だから、自分たちは黒衣( くろこ )として徹する、クロック( 時計 )のように寄り添うという思いを込めて、Clokkoというイメージキャラクターを作成したそうです。これが今のWizWe社のあり方に繋がっています。
~ 習慣化を実現するための考え方
< 習慣化のためのステップ >
「 習慣化 」の成功には、単なる自己管理ではなく、周囲からのサポートが不可欠であるとされています。具体的には、チームでのサポートや適切なフィードバックが習慣化を促進するための鍵となります。習慣を身につけることは、多くの人々にとって難しい課題ですが、3 〜 6ヶ月を一区切りとし、行動を振り返りながら進めることで、習慣は徐々に定着していきます。そして、習慣化のプロセスを「 オンボーディング期 」「 アダプト期 」「 ハビット期 」に分け、それぞれの段階で適切なサポートを行うことが重要です。
1)オンボーディング期
まず、「 オンボーディング期 」は、新しい行動や習慣を取り入れるための最初のステップです。この段階では、学習者が自分自身の進捗を測り、フィードバックを受けることが重要です。フィードバックにおいて大事なのは、単に結果を評価することではありません。学習者が自分の行動を振り返り、次のステップに進むための指針に対して、誰かからコメントをもらう、というプロセスそのものが、習慣化に向けたモチベーションを高める効果を持ちます。
2)アダプト期
次の「 アダプト期 」は、新しい習慣が徐々に定着し始める時期です。この段階では、学習者が自分の進捗を他者に共有し、コミュニティ内でのサポートを受けることが鍵となります。特に、小規模なグループ活動が有効です。あまり大きなコミュニティだと効果が薄くなってしまいます。グループ内でのコミュニケーションは、メンバー同士のモチベーションを高め、習慣化のプロセスをよりスムーズに進めるための助けとなるのです。
3)ハビット期
そして、「 ハビット期 」に入ると、学習者は新しい習慣を日常生活の一部として取り入れるようになります。この段階では、学習者が自分の成果を周囲に報告し、他者と共有することが重要です。この時期にコミュニティの存在がますます重要になってきます。習慣化を支えるコミュニティは、学習者にとっての励みとなり、続けるためのモチベーションを維持するために必要不可欠なのです。習慣化を成功させるためには、特に、コミュニティがオープンであり、参加者全員が発言しやすい環境を作ることが大切です。
< モチベーションの考え方 >
習慣化においてモチベーションが続かない、ということがありますが、モチベーションは個人の内面から生まれるものではなく、他者とのコミュニケーションや共有された目標の中で自然に形成されるものだと考えています。目標が設定され、それが他者に認知されることで、学習者はその目標に向かって努力する意欲を高めることができるのです。そのため、一例として、研修で言えば、
① 研修における具体的な目標を設定する
② 目標に対して上層部と人事ご担当者様がコミットしている熱量をちゃんと社員に見せる
③ 参加者同士や上司とのコミュニケーションを増やし、支援をもらえるようにする
等が参加者のモチベーションを高めるためには重要になります。
3. セミナーを振り返って
今回のセミナーでは、森谷さんの実体験に基づく起業のストーリーと、習慣化を成功させるための具体的なメソッドを学ぶことができました。森谷さんが経験された数々の困難や挑戦は、単なる成功物語ではなく、ビジネスの現場で直面する現実を映し出すものでした。それだけに、参加したメンバーは、非常にリアルで身近に感じられる内容だったのではないでしょうか。
特に、習慣化を支えるためのチームやフィードバックの重要性、そして動機づけの大切さを再認識する良い機会となりました。参加者からも、「すぐに実践に活かせる内容だった」という声が多数寄せられ、非常に有意義な時間を過ごすことができました。これからも、こうした学びの機会を通じて、私たちのビジネススキルを向上させるとともに、チーム全体の成長を促していきたいと考えています。
最後に、ご多忙の中、ご自身のストーリーをオープンに話していただきながら、習慣化について、実践知と臨床知に裏付けされた説得力のあるセミナーを実施していただいた森谷さんに、心より感謝申し上げます。
記 : 福井 拓海
株式会社WizWeウェブサイト
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