ビジョンハウス研修レポート SOZOW 多様性×デジタル時代の教育とは?
2022年2月28日

2022/3/28
 

弊社メンバーの学びの場である「社内勉強会(ビジョンハウス研修)」の内容を紹介いたします。毎回素晴らしいゲスト講師をお招きし、弊社メンバーだけでなく、このページをご覧になった皆様にとっても学びや気づきを得る機会となることを願い、研修のポイントを公開させていただいております。

 

今回は、SOZOWを展開しているGo Visions 株式会社の代表取締役 小助川 将氏にご登壇いただきました。小助川氏は戦略コンサルタントでの新規事業企画、企業での人事責任者、不登校や発達障害のある子ども向けプログラミング教育など多様な経験を活かし2019年に同社を設立されました。
SOZOWは子どもの「好き!やりたい!」から未来につながる力を育むオンラインの習い事サービスで、第15回キッズデザイン賞を受賞するなど注目を集めています。サービス内容のご紹介や、令和時代の教育の潮流などについてお話しして頂きました。

(ここからは、小助川氏の発言を要約した内容となります。)

 

 

1.イントロ&プチ体験

 

「子どもたちには親世代と異なる教育が必要か?」との問いに多くの人が同意する。理由として「常識、価値観の変化」など様々な声が存在する。では、教育において今後、どのような変化が必要か?これまでは学びの起点がインプットであったが、これからはアウトプットを起点として自ら考える・つくる・調べることが重要になると考えている。

(出典:https://sozow.net/about

 

本日はSOZOW(オンライン習い事)の「デザインの世界」についてプチ体験※も用意した。デザインの世界には、「たった1つの正解」はない。どの様にしたら誰かにとって正解になるのかを考えることが、デザインである。正解がない問いであるため、様々な可能性を広げることができる。
※本レポートではプチ体験の内容は省略。ご興味ある方は以下リンクをご参照ください。
https://sozow.net/

 

 

2.そもそも日本の教育システムの目的は?

 

現在の日本の教育システムは約150年間変わらないと言われている。現在のシステムは、同じことを、同じペースで、同じやり方で実施されており、すでにある正解にたどり着くための勉強方法とも言える。なぜこのような教育システムを必要としたのか。それは時代の要請から「富国強兵」が求められたからである。その教育システムが今もなお継続して存在するのだとしたら、我々は『「未来」のために勉強しなさい!』と言いながら『「過去」に子どもたちを閉じ込めてはいないか?』を改めて自問する必要があるのではないかと思う。
実際、日本の子どもの「精神的幸福度」は世界でも低い。また、少子化にもかかわらず、不登校・いじめの件数は過去最高を記録している。「不登校」という言葉がある国は約3か国であり、それは日本、台湾、韓国である。また、子どもに限らず「やりがい・働きがい」に関して日本は世界ワースト1位という調査結果も存在している。我々はこういった現状を踏まえ、改めて「子どもたちに幸せな人生を歩んでほしい」と思っている。

 

 

3.世界や令和時代の教育の潮流は?

 

最近では、オルタナティブスクールも増えてきている。主な種類は、「フリースクール」「インターナショナルスクール」「ホームスクーリング」である。日本でもN高等学校や軽井沢風越学園などオルタナティブ教育がひろがっている。アメリカでは全体の約7%がホームスクーリングともいわれている。こうした動きに見られるように、現在の画一的な教育システムに対して疑問が出てきている。アルベルト・アインシュタインが「誰でも天才だ。だが魚を木登りの能力で評価すれば、魚は自分をバカだと思い込んで一生を過ごすことになる」と表現したといわれるが、こうした解釈を生まないことが大切だ。
これからは「個性×環境」が重要だと考える。では具体的に何が求められるかというと、人は環境のいきものであるため、一人ひとりの興味・好奇心などの個性を活かす環境を用意することが大切である。環境とは、「学びの場」であり「親や周辺の人々の考え方や関わり方」である。関わり方の例として、本人の自己決定を尊重する、親が理解できない場合は問いかけをするなどが挙げられる。これは私自身の子育ての経験でも実感している。現在、AO入試・推薦入試での大学入学者の割合が増加傾向にあり、令和時代は多様な能力・個性を求める時代とも言える。

 

 

 

4.多様性×デジタル時代の学び

 

こうした時代の中でGo Visionsは、未来につながるデジタル想像力の習い事であるSOZOWと、自己肯定感を育むオルタナティブスクールであるSOZOWスクールを展開している。SOZOWでは、最前線で活躍するプロデザイナーやプロ投資家などにも出演してもらっている。学校では出会えない方々との関わりを通じて世界が広がることを多くの子どもたちが体感している。子どもたちでクラウドファンディングを実施し成功させるなど、むしろ大人が学ぶ機会となっているとも言える。また、SOZOWスクールでは社会や多様な大人との交流機会を提供している。例えば、1on1メンターを子どもが選ぶことができる。大人がコーチングで伴走することで、住む場所が異なる不登校の子供たちがデジタル技術を活用し、ひとつの作品を創り上げるなどの事例も実際に出てきている。

 


 

講演をお聞きした後は、メンバーからの質疑に答えていただき、理解をより深めることができました。「主体性を挽き出す」をミッションとして掲げる弊社メンバーがそれぞれの立場で、現在の日本の教育システムだけではなく、日々の自分自身の在り方を立ち止まり改めて考える機会となりました。この様な機会を頂いた小助川氏に、心より感謝いたします。

 

記:設楽 浩司

 

 

 

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