鈴木敏文
鈴木 敏文
1932年12月1日 長野県生まれ
東京出版販売(現トーハン)を経て昭和38年イトーヨーカ堂入社。
昭和49年『セブン-イレブン』の出店をスタートさせる。
平成4年イトーヨーカ堂社長、セブン-イレブン・ジャパン会長に就任。セブン-イレブンでは、POSシステムを初めて本格導入し、消費者ニーズに基づく仕入れ、販売方法を確立。
「仮説検証型経営」を実践するセブンイレブンの経営は世界レベルで高く評価されている。
略歴
・1956年中央大学経済学部卒業
・同年、東京出版販売(現トーハン)入社
・1963年イトーヨーカドー入社
・1973年にセブンイレブン・ジャパンを創業、POSシステム導入
・1978年セブンイレブン・ジャパン社長就任。
・1992年同社会長となり、同年㈱イトーヨーカ堂社長就任。
・2002年4月にはIYバンクを設立し、異業種参入銀行の第一号となった。
・2003年4月イトーヨーカ堂代表取締役会長に就任。
リーダーとしての大きな特徴
1.既成概念にとらわれない「独創的発想力」
・「脱慣習」
「売上向上には在庫を一定もつことが必要」 という小売業の常識を、先行情報で仮説を立て、POS情報で検証し商品を「生き筋・死に筋」に分別することで、在庫レスでも売上と利益をあげる仕組みを構築。
さらに、従来のメーカー毎の配送方式の非効率性に疑問を抱き、「それぞれの車に各社の商品を乗せられないか?」 という何気ないが、既成概念にとらわれない発想で共同配送方式を生み出した。
2.真実を見抜き、打ち手を講ずる「本質追求力」
・「統計心理学」
「現場には本当のようなウソがある。データを鵜呑みにせず、背景や中身を突き詰めろ」 そうした統計と顧客心理を掛け合わせた考え方が、仮説検証というサイクルを生み、精緻化させた。
3.革新しつづける場をつくる「革新型組織構築力」
・「FC会議」
「セブンイレブンでは毎週火曜日に全国各地から1,200人のカウンセラーが本部に集結する。」 革新を続けるために、ダイレクトコミュニケーションを超えるものはない、と断言する。
既成概念にとらわれず、真実を見抜くことで、
「絶えず時代の一歩先を歩く、革新者」
リーダーシップ・エピソード
1.現場が発注を担う
セブンイレブン・ジャパンでは、商品の発注は全て現場に委ねられている。一方で、緻密なチェーンストア理論に基づいた経営を実践している。そうしたハイブリッドな戦略は、現場における情報収集、仮説設定~検証を重視する「現場主義」と、店長をはじめとした現場の社員の「モチベーション維持」を見事に実現しているといえる。
2.高密度多店舗戦略(ドミナント戦略)
セブンイレブンの基本戦略であるドミナント戦略は、ある地域に出店を集中させ、店舗ごとに商圏を隣接させながら少しずつ広げていくやり方だ。商圏内に同じチェーンの店が出店すると客が減るという考えは大きな誤解であるとし、むしろ顧客にとっては右にも左にも店舗があることでより身近になり、店舗密度がある程度まで達すると急速に売上が伸びるという。
3.偶然のキャリア
大学卒業後、ジャーナリストを目指したが、志望した出版社がたまたま新卒採用を取りやめたことからトーハンに入社する。在職中にたまたま訪ねた会社で、入社を誘われて入ったのがまだ中堅スーパーマーケットチェーンだったヨーカ堂(現・イトーヨーカドー)だった。そしてアメリカへの出張時、長距離バスで移動中に休憩のためたまたま入ったのがセブン-イレブンの店舗であり、それがきっかけとなり、日本で創業することになる。
鈴木敏文の名言
セブンイレブンを始めた頃は、モノもカネもなければ、何の経験もなかった。だから、知恵を出さざるをえなかった。
経営とは、変化への対応と、原理原則の徹底である
参考文献 参考URL
- 「商売の原点」(著 鈴木敏文/講談社)
- 「鈴木敏文の「本当のようなウソを見抜く」セブン-イレブン式脱常識の仕事術」(著 勝見 明/プレジデント社)
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