用語解説

年功主義/能力主義/実績主義/成果主義

右肩上がりが常識と考えられてきた「成長神話」のもとで設計されてきた日本の人事政策は、いま大きな見直しを迫られている。かつて、日本型経営の三種の神器と呼ばれた「年功序列」「終身雇用」「企業内労働組合」は脆くも崩れ去り、時代の変遷に伴い、人事政策のベースにある人材評価の価値観も刻々と変化を遂げてきている。
具体的には、戦後から1975年前後までが年功主義、1990年まで能力主義、さらには実績主義、成果主義へという変化を遂げてきた。勤続年数や年齢(=何年勤めたのか)という曖昧な基準で評価をされてきた時代(年功主義)から、潜在・顕在の能力(=何ができるのか)で評価される時代(能力主義)へ、そして完全に顕在化された実績(=何をやったのか)で評価される時代(実績主義)へと変わってきた。実績主義と似た言葉で成果主義という言葉があるが、実績主義では顕在化された成果のみが評価されるのに対し、成果主義では成果は勿論のこと、その成果を生み出すまでのプロセスまでをも評価対象に含めている点で、両者は明確に異なる。
行き過ぎた実績主義の横行は中長期的な組織・企業への貢献という視点を見失わせ、セクショナリズムや人間関係の歪を生み出す危険性も孕んでいるため、日本型経営の良いところを残しつつ、緩やかな成果主義の導入を図ることで、そのメリット・デメリットを見極めようと模索している企業が多い。

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