用語解説

アメリカのサプライチェーン強靭化策(インフレ抑制法とCHIPS法)

インフレ抑制法(正式名称:Inflation Reduction Act of 2022)とCHIPS法(正式名称:CHIPS and Science Act)は、2022年8月にアメリカで成立した法律で、いずれも電気自動車と半導体のサプライチェーンの強化という経済安全保障的な側面を持つ重要施策である。

これらは製造業を基盤とする他国への影響も甚大で、特に日本、中国、ドイツ、韓国、台湾の多国籍企業に対し、巨額の設備投資と事業転換を迫るものとなっている。

 

 

インフレ抑制法( Inflation Reduction Act of 2022)

 ・北米で最終組み立てした電気自動車(EV)を対象に、補助金(税額控除)を支給する法律。

 ・韓国のような自国で製造したEVをアメリカで販売する場合は補助金対象外となる。

 ・最終製品だけでなく、電池用部品のアメリカ製造率についても50%以上を条件としているため、EV用バッテリーで最大のシェアを持つ中国のEVバッテリーメーカーへのマイナス効果が大きい。

 

CHIPS法(CHIPS and Science Act)

 ・商務省の標準技術局や国防省のもとで、アメリカの半導体エコシステムを再構築しつつ、国家安全の強化を目指すための法律。

 ・アメリカ国内の半導体に対して520億ドルの補助金を投じるとともに、高度な半導体製造技術をアメリカの管理下に置く効果も持つ。

 ・具体的には、14ナノメートル未満のプロセスを用いる先端半導体を製造する中国の工場に半導体製造装置を輸出することが原則禁じられるなど、中国の半導体製造能力を低下させる(10年程度退化させる)狙いがある。

 

 

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