戦略=戦わずに勝つ術!「問い」の置き換えで極めよ/ポータブルスキル大全(1)
全員転職時代を生き抜く戦略的思考
戦略的にキャリアを描いているか? 戦略的に目標を達成できているか? 戦略的に商品やサービスを開発し、市場に投入しているか?
――ビジネスの世界に溢れている「戦略的」という言葉は、何を意味しているのだろうか。
簡単に言えば、戦略とは「戦わずして勝つ」方策を意味する。「戦わずに勝つ」とは「最小の資本(リソース)で最大の効果を得る」ということであり、これが「戦略的」という言葉の本質だ。
生産性向上が求められる今、長い時間をかけて努力して成果を出す、というスタイルは流行らないどころか、評価すらされなくなってきている。
今や、いかに時間をかけずに成果をあげるか、すなわち、誰もが戦略的に思考し、行動することが求められているのだ。
では戦略的に考え、行動するにはどうすればいいだろうか。
まずは「問い」を変えることだ。
私たちの思考は「問い」と「答え(仮説)」の繰り返しによって成立している。「問い」が「もっと努力して成果をあげるにはどうすればよいか?」というものであるならば、その問いの枠組み内のアプローチしか生まれない。
一方で「問い」が「いかにして努力をせずに成果をあげるか?」であれば、それに従ったアプローチが仮説として描けるようになる。まずは頭の中にある「問い」を見直す必要があるのだ。
ホリエモンこと堀江貴文氏は、この「問い」を私たちに幾度となくぶつけてくる。たとえば「寿司職人として一人前になるのに、本当に何年も修行する必要があるのか」だ。
「何年もかけて一人前になるにはどうすればよいか?」という「問い」しか持てなければ、その範囲内でのアプローチしか描くことができない。一方で堀江氏のように「できるだけ時間をかけずに一人前になるにはどうすればよいか?」という問いを立てられれば、これまでにないアプローチを描くことができる。
今、私たちが必要なのはこのように「戦略的に」考え直すことだ。本連載はあなたの「戦略性」を高めるための話でもある。このあとに続く様々なスキルの数々のうち、どれがあなたに役立つかはわからない。そもそもの「問い」が変わらなければ、大きな変化は生まれないかもしれない。
まずはじめに自らの「問い」を「戦略的に」置き換えてみてはどうだろうか。そこから変革は始まるかもしれない。
【「問い」の置き換え例】
「どうすれば仕事を速く進められるか?」
↓
「そもそも、今やっている仕事の中に、不要なものがあるのではないか?」
「なぜあの人は何度言ってもわからないのか?」
↓
「もしかすると自分の伝え方が間違っているのではないか?」
参考プログラム:「経営戦略策定ワークアウト」