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シリーズ第12回 プロボノという選択肢 ~真の豊かさのための新しい生き方~

いったいプロボノとは何か?基本知識からその可能性まで

2010年10月23日(土)

ゲストスピーカー:株式会社アム 代表取締役 / NPO法人フローレンス 理事 岡本佳美様

今回のテーマである「プロボノ」。一般的な認知度はまだ浅く、「ボランティアと何が違うの?」「私、特別なスキルを持っているわけじゃないから関係ないわ。。」といったコメントもよく聞きます。普及はまだこれからなのですね。重要な可能性を秘めている分野だけに、是非広めていきたいものです。というわけで、いったいプロボノとは何か?という基本知識からその可能性まで、岡本さんに分かりやすくご説明いただきました!

HRIセミナーセッション

「プロボノ」とは何ぞや??を解くべく、まずはHRインスティテュートの守屋より、
基本事項の説明をさせていただきました。

SPSシリーズ 第12回 HRインスティテュート守屋

プロボノ:ラテン語“Pro Bono Publico(公共善のために)”を略した言葉。
時間を提供するボランティアに対し、スキルを提供するのがプロボノ。
弁護士や会計士・コンサルタントなどが、「週に○日、○時間」といった活動時間を決めて、NPOの経営相談などを無償で行なうことが元々のイメージです。しかし、こうした特定の職種に限らず、営業・総務・広報といった、幅広い分野に適用できる考え方であり、多くのビジネスパーソンのスキルを活かせる活動として注目されてきています。

これを見ると、我々人類が、如何に短期間で地球を蝕んできたかがお分かり頂けると思います。と同時に今こそ、それを挽回すべく、行動を起こすラストチャンスの時だという危機感も共有できるのではないでしょうか。日頃の何気ない行動の中にも、地球を破滅へと導く選択肢と復活させる選択肢があります。私達が万物とのつながりの中で生かされていることを再認識し、日々行動を変えていくことが必至なのですね。

プロボノの活動が具体的に垣間見える動画がこちら
(NHK番組クローズアップ現代で「プロボノ」が分かりやすく紹介されています。)

パネラーセミナーセッション

さて、岡本さんによるメインセッション!

SPSシリーズ 第12回 株式会社アム 代表取締役 / NPO法人フローレンス 理事 岡本佳美様

岡本さんからは下記の3構成でお話しいただきました。

1.ビジネスパーソンにとってのプロボノ⇒わたしの場合
2.NPOにとってのプロボノ⇒NPO法人フローレンスの場合
3.最先端のプロボノ事情⇒企業とプロボノ

岡本さんのお話が大変興味深い理由の一つは、ご自身がプロボノとして活動されたご経験とともに、プロボノの受益者となるNPO側の経験もされており、当事者として内外の実情をご存知であること。プロボノだからこその利点と難点が見えてきます。

1.ビジネスパーソンにとってのプロボノ=わたし(岡本さん)の場合


岡本さんは、マーケティング・コミュニケーション コンサルタントとしてビジネスをされていますが、2005年頃より、病児保育問題を扱ったNPO法人フローレンス(フローレンスのHPはこちら⇒http://www.florence.or.jp/)でプロボノの活動を始めます。当初は、ご本人も「プロボノ」という言葉も知らないままに、団体の立ち上げに参画したそうです。
岡本さんの専門分野であるマーケティングは、民間企業であれば、最小限の経営資源で最大限の利益を出すことが目的。NPOは、目的が「利益創造」ではなく「社会問題の解決」となりますが、最小コストで目的を最大限に達成するという意味では、マーケティングが大変重要になることに変わりありません。むしろ、民間企業のように莫大な予算が組めるわけもなく、経営資源が極限られているNPOにとっては、それこそマーケッターのスキルが求められることを、岡本さんはご自身で実感されたそうです。同時に、民間企業でのビジネスではある程度の経営資源の中で各種のマーケティング施策を展開できるのに対し、NPOでは圧倒的にリソースが少なく、予算はもちろん、スキルを持ったスタッフもいない!そういった限られた条件の中でどうすべきか・・・それまでの知識・経験がそのままでは通用しないため、工夫の連続&イノベーティブな思考が必要になったとか。結果として、マーケッターとしての力が真に試され、大きな成長になったそうです。

<ここがポイント!>

プロボノをやると、「社会貢献をした!」という喜び以外にも、達成感や実力UPの機会を得ることができます。その人個人としての力試しができ、個人をそのまま評価してもらえるわけですね。これはプロボノの醍醐味!実際、社会貢献やボランティアなどに強い興味があるわけではないが、自身の力試し・成長のためにプロボノをやる、という人も多いそうです。

2.NPOにとってのプロボノ⇒NPO法人フローレンスの場合


もし「よし、プロボノやるぞ!」と決意が固まったとしても、実際始めるにはどうしたらいい?という疑問が次に出てくると思います。ここで重要なのが、プロボノがきちんと機能するための「仕組み」です。プロボノ活動を始めるのに、もちろん公式手続きなどはありません。ですが、面白いことに、プロボノ希望者と受益側となるNPOが直接タッグを組むと上手くいかないケースが多いのだそうです(アメリカのデータでは、プロボノ・プロジェクトの過半数が継続困難な障害に直面し、そのうちの90%がプロジェクトの目的を完遂できずに終わる)。そこで活躍するのが仲介役の団体。プロボノ希望者とサービス提供を必要としているNPOを集め、マッチングをする組織です。一見、必要性が見えにくいかも知れませんが、“NPOにとってのプロボノ”という視点を考えると、この存在の重要性がお分かりいただけると思います。

<NPOにとってのプロボノ>

1.「専門性」と「実現可能性」~マッチングの重要性~

NPOが対象とする市場は特殊なケースが多く、またNPOのリソースも限られたものです。NPOにとって最も困るのが、「何かお手伝いできることがあれば・・・」というアプローチ。プロボノワーカーから、どんな「専門性」があるのかを情報提供しなければ、NPOはどんな仕事を頼めるのか分からず、プロジェクトが成立しません。また、「実現可能性」も大きなテーマ。NPOの限られたリソース(人員、予算、スタッフのスキルなどなど)でも実現可能な提案でなければ、プロジェクト自体がまったくの無駄になってしまいますので、注意が必要です。
ちなみに、リアルな事情としては、プロボノワーカーの専門性に合った仕事が常にあるとは限りませんが、継続的な関係性を維持しなければ、せっかく自主的にサポートを申し出てくれたプロボノワーカーとの繋がりも途絶えてしまいます。そこで、NPO側としては「プロボノのための仕事をつくる」というような事態が発生することもあるようです。

2.プロジェクト・マネジメント機能 ~チームとしてのプロボノ~ 

プロボノは、限られた時間を使ってスキル提供をするため、そして前項にもあるように、ビジネスセクターでのスキルそのままでは通用しないことが多いため、プロジェクトに対して一人で対応するのは実際難しいものです。そこで、数人のチームを構成してプロジェクトを推進するのが理想的です。その場合、チームメンバーの人選と役割分担、プロジェクトの進捗管理、各プロボノワーカーのモチベーション維持、プロジェクトのクオリティコントロール等々・・・「プロジェクトマネジメント機能」がとても重要になってきます。しかし、これをNPO内部で担おうとすると、かなり大きな負担となることは明らかです。例えば、善意でサポートしてくれているプロボノワーカーに対して「〆切が過ぎてます!」「このクオリティでは困ります!」とはなかなか言いにくい、というNPO側の心理は想像に難くないでしょう。フローレンスでは、様々な形でのプロボノワーカーとのコラボレーションを試した結果、人選、進捗管理、品質管理などの「プロジェクトマネジメント機能」をもったプロボノチームとの連携が成功パターンとなったそうです。

3.あるいは「LIP型」~LIVING IN PEACE(全員プロボノで構成されているNPO法人)~

プロボノの活用事例として新しい取り組みと言えるのが、LIVING IN PEACE (リンク:http://www.living-in-peace.org/)という団体。スタッフ全員が「本業」を持ったビジネスパーソンであり、全員がプロボノワーカーとしての参加です。この団体のプロボノマネジメントの特徴は、あらかじめどんなプロジェクトにどんな役割で関わるかを双方の合意のもとに決定し、2年ないし3年(!)という長期間の活動期間を前提として契約書にサインすることです。それによって、上記1のプロボノワーカーの専門性の担保はもちろん、上記2のクオリティやモチベーションの面でも確実性が上がるという仕組みになっています。

岡本さんが参画しているNPO法人フローレンスでは、設立当初は(岡本さんご自身も含め)プロボノを個人的にお願いする形をとっていたそうです。が、組織が大きくなってくるにつれ、仲介を担ってくれる団体とコラボレーションする形に移行しました。それにより、プロボノの有効性を強く実感されているとのことです。
仲介役の活動をしているNPOといえば、
SVP東京(ソーシャルベンチャーパートナーズ東京)
NPO法人サービスグラント
ベイン・アンド・カンパニー
といったところが主に挙げられます。
一口に「仲介」といっても、申請受付の基準やプロボノのアサイン方法が団体によって異なります。各々ポリシーをもって仕組化されていますので、利用する場合には、特徴を踏まえて検討してみることが大切です。

3.最先端のプロボノ事情⇒企業とプロボノ


日本ではまだ馴染みの浅い「プロボノ」ですが、アメリカでは国家政策としてもテーマになったことがあるほど普及が進んでいます。特に、企業のプロボノ活動の推進が盛んで、プロボノの「ビジネス的価値」が評価されているのです。
ここでいうビジネス的価値とは、

ソーシャルインパクトの増大―相乗効果
企業市民活動を通じた社会的評価の高まり
人材の育成や活性化におけるメリット
社内の連携・コミュニケーションの改善
イノベーションのきっかけ

など。企業にとってのメリットが大きなことが分かります。

日本でも、特に外資系の企業などでは人材育成の一環としてプロボノを導入している企業が増えてきています。ゴールドマンサックス日本法人やIBM、NECなどで既にプロボノが導入されていますが、ここでも、先に紹介した仲介役のNPOが協力しています。
企業研修という位置づけでの広まりにも期待ができそうですね。
個人としてでも会社としてでも、プロボノに興味が沸いたら、とりあえずサービスグラントのような中間支援団体に問合せしてみることが大きなヒントになるはずです!

<参加者さまからの感想>
本当に包み隠さない「リアル」を幻想抜きでお話し頂き、本当に勉強になりました。駒崎さん(※フローレンスの代表)の著書でも強く共感した「NPOも1つの選択肢に」ということの裏側にあったハードさとかも聞けて、どういう風に関わっていくのかイメージも広がりました。(H.M様)
(前略) 特に今、「これからどういう風に生きていこう?」「そのために具体的にどんな行動をすればいいのか?」を真剣に考えていましたので、ヒントをたくさん頂けたと思っています。今日、早速情報を調べてみて、どういった形で自分がプロボノに関われるかの答えを出したいと思います。(岡部様)

ディスカッションセッション

岡本さんへの質疑応答のお時間です。実際のご質問を少しご紹介いたします。

SPSシリーズ 第12回 株式会社アム 代表取締役 / NPO法人フローレンス 理事 岡本佳美様

Q:東京ではこういったプロボノを支援するNPOがあることがわかりましたが、地方ではどこに相談すればよいですか?
A:気づいた人がやってみる!ですね(笑)。サービスグラントのような組織を作ってしまうのもありです。小さく始めて大きく育ててみて下さい!

Q:本業の仕事とプロボノ活動の両立は、ぶっちゃけ難しくないですか?
A:自分に最適な時間配分に設定することは大切。数ヶ月単位でプロジェクト全体に関わる人もいれば、週1時間だけ!ということで、プロジェクトの極一部にのみ関わるという形もあります。また、そのマネジメントの意味でも仲介団体の存在は本当に重要なのです。

Q:サービスグラントに申し込むと、その後どういう流れになるのですか?
A:まずは、サービスグラントの説明会に参加し、公式サイトを通じて「スキル登録」することで、サービスグラントのプロボノワーカーとして登録されます。サービスグラントでは年に4回、支援するNPOの採択をしており、NPOのニーズに応じたプロジェクトチームを編成します。チーム編成は、登録者の適性を見ながらサービスグラント本部がアサインしていきますので、本部からお声が掛かるのを楽しみにお待ちください。プロジェクトが始まると、「大人の社会科見学」というコンセプトのもと、NPOに関連するあらゆるステイクホルダーへのヒアリングに時間を掛けます!相手を良く知るという目的なんですが、NPOにとっても、プロボノワーカーにとっても、とても有意義なステップです。現在のところ、プロボノ側が支援先のNPOを指定することは認めていません。他の仲介役NPOでは、また違った条件や手順になっているので、色々調べてみると良いですね。

ワークセッション

SPSシリーズ 第12回 ワークセッション

今回は、「自分のプロボノ計画」を考えていただく時間としました。
プロボノを始めるにあたって「自分は何ができるのか」をきちんと自覚することはとても重要です。というわけで、こちらのワークシートを使用。

SPSシリーズ 第9回

皆様、現在の自分のスキルや立場から、とても具体的な計画をお考え下さいました。

SPSシリーズ 第12回 ご参加されたみなさま

最後に、岡本さんからの素敵な提案。
「今日、良かったと思った方!帰ってから3人の人に『プロボノいいよ!』と話してください☆」
2010年は「プロボノ元年」と位置づけられているそうで、これから間違いなく広がっていくテーマだと思います。是非、これを読んでくださった方も3人の方に「プロボノいいよ!」と語っていただけたら嬉しいです。

皆様、今回も本当にありがとうございました!

次回予告

2011年3月12日(土)13:30~ 予定

また多くの方にご参加頂けることを楽しみにしております!

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